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この記事のみを表示する北海道の彼女とザ・スターリン、ローザ・ルクセンブルグ

音楽

 約二十五年ぶりに、友人に会った。ちょっとしたきっかけがあったのだが、その詳細は書かない。
 職場で、バイトをしていた男二人だった。
 二十五年とは、生まれたばかりの赤ちゃんが大学を卒業し、結婚して赤ちゃんがいてもいい年齢である。とても長い。
 場所は原宿だ。友人の一人の職場がそこにあった。
 一人はスピリチュアルに関する講座を持つ、カリスマ美容師になり、一人は印刷会社の部長になっていた。カリスマ美容師は、髪を金髪にして、短く切り、体格ががっしりして、まるでプロレスラーのようであった。部長は、顔がひげでおおわれていた。「Xメン」のヒュー・ジャックマンのようだった。Tシャツを着ていた。
 カリスマ美容師は、当時、毎日のように北海道の彼女に会社からこっそり電話して、電話代の異常な高さからその所業がばれ、上司から叱られたという男である。会社のコピー機で、大量の私用コピーをして、やはり上司に叱られていた。
 部長は、豪放なところはなかったが(まじめに仕事をしていた)、ロックに詳しい男で、当時、休み時間に、ローザ・ルクセンブルグを歌っていた。
「それ、ローザの『在中国的少年』?」
 私は聞いた。
「そう」
「いいよね、あれ」

 日常生活で、そういう会話が交わされていた時代だった(もっとも、ローザ・ルクセンブルグは名盤「ライブ・オーガスト」を出して、とっくの昔に解散していた)。

 こんな思い出もある。
 何かの折に、ザ・スターリンの曲を口ずさんでいたら、
「いまの日本で、その曲をうたっているのは、あんただけだよ!!」
 と部長がいった。
「でも、ミチロウはうたっている」
「ミチロウとあんただけだよ!!」

 北海道の彼女やザ・スターリン、ローザ・ルクセンブルグはもういない。時代の闇の奥に消えてしまった。
 店を出たとき、原宿ストリートはあいかわらず現代の若者たちでにぎわっていた。



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